動画制作に携わっている方にとって、報酬に関する税金の問題は避けて通れないものです。
その中でも「源泉徴収が必要かどうか」は、特に多くの方が疑問に感じるポイントではないでしょうか?
特に初めて動画制作に取り組む方にとっては、税金の仕組みや源泉徴収の必要性が曖昧で、どこから手をつけていいのか分からないという悩みもあるでしょう。
ですが、安心してください。
この記事では、そんな不安や疑問を解消するために、動画制作における源泉徴収の必要性について詳しく解説します。
源泉徴収の基本をしっかり押さえ、スムーズな業務運営を目指しましょう。
そもそも源泉徴収って?
副業やフリーランスで動画制作をしている方なら、報酬を受け取る際に「源泉徴収」という言葉を目にしたことがあるでしょう。
しかし、その仕組みや目的をきちんと理解している方は、意外と少ないのではないでしょうか。
源泉徴収とは、簡単に言えば、 「報酬や給料を支払う側が、あらかじめ税金を差し引いて、代わりに納めてくれる仕組み」 のことで、税金の支払いをスムーズにするためのものです。
私たちが収入を得ると、その収入に対して税金がかかりますが、全ての人が毎回自分で税金を計算し、支払うのは手間がかかり、間違いも起こりやすいものです。
そこで、報酬や給料を支払う側が、事前に税金を差し引いてから支払いを行うことで、税金の支払いが簡単に、そして確実に行われるようになります。
では、具体的にどのようなものが源泉徴収の対象となるのでしょうか?
また、源泉徴収の手続きは、どのように行われるのでしょうか?
詳しく解説していきます!
源泉徴収の対象になるもの
源泉徴収が必要なものは、主に仕事の報酬や給与など、個人が受け取るさまざまな収入に対して適用されます。
しかし、すべての収入が源泉徴収の対象になるわけではありません。
ここでは、具体的にどのような収入が源泉徴収の対象となるのか、わかりやすく説明していきます。
1.給与
まず、最も一般的な源泉徴収の対象は、会社員の給与です。
会社に勤めている人は、毎月の給料から所得税が源泉徴収されており、年末調整でその年の税金が確定します。
これにより、会社員は自分で税金を申告する必要がなくなります。
2.報酬
フリーランスや個人事業主の方にとって重要なのが、「報酬」に対する源泉徴収です。 企業などから業務委託を受けた場合、支払いをするクライアントが源泉徴収を行い、報酬から税金を差し引いて支払います。
3.配当金
株式投資をしている方は、「配当金」にも源泉徴収があることを覚えておきましょう。 企業から受け取る配当金の一部は、あらかじめ税金として差し引かれます。
4.懸賞や賞金
懸賞に当選したり、コンテストで賞金を獲得したりした場合も、源泉徴収の対象となることがあります。
高額な懸賞や賞金を受け取る際は、源泉徴収について確認しておきましょう。
5.その他
以下のようなものも源泉徴収の対象となる場合があります。
- 不動産の使用料
- 著作権の使用料
- 利子
ただし、源泉徴収が必要かどうかは、支払われる金額や種類によって異なります。
また、源泉徴収の税率も、状況によって変わってきます。
「もしかして、自分も源泉徴収が必要なのかも…?」と思ったら、税務署や専門家に相談してみましょう。
次に、源泉徴収の手続きの流れについて詳しく解説していきます。
源泉徴収の流れを5STEPで解説
実は、源泉徴収の手続き自体は、意外とシンプルなんですよ。
源泉徴収の手続きの流れを、段階を追ってわかりやすく解説していきます。
STEP1 源泉徴収が必要か確認する
まずは、自分が源泉徴収を行う必要があるのかを確認しましょう。
源泉徴収が必要となるケースは、先ほどご紹介した通りです。
自分が当てはまるかどうか分からない方は、税務署や専門家に相談しましょう。
STEP2 源泉徴収税額を計算する
次に、源泉徴収する税額を計算します。
源泉徴収税額は、支払う金額や種類、受取人の状況などによって異なります。
例えば、給与に対する源泉徴収税額は、給与所得控除や扶養控除などを考慮して計算されます。 また、報酬に対する源泉徴収税額は、報酬の金額や種類によって異なります。
源泉徴収税額の計算方法については、国税庁のホームページなどで詳しく解説されていますので、そちらを参考にしてください。
国税庁 令和6年分 源泉徴収税額表:https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/zeigakuhyo2023/02.htm
以下の記事では、「動画編集の請求書」について解説しているので、請求書での源泉徴収の扱い方が気になる方はぜひご一読ください。
STEP3 源泉徴収税額を差し引いて支払う
源泉徴収税額を計算したら、支払う金額からその税額を差し引いて、受取人に支払います。
その際、支払いをする側は「源泉徴収票」を発行します。
この源泉徴収票には、支払った金額、差し引かれた税額、支払日などが記載されています。
受け取る側は、この源泉徴収票を後々の確定申告などに使用するため、大切に保管しておきましょう。
源泉徴収票は、通常、報酬の支払い時に受け取ることが多いですが、年末や年度末にまとめて発行されることもあります。
STEP4 納付書を作成し、税務署に納付する
源泉徴収した税金は、納付書を作成し、税務署に納付する必要があります。
納付期限は、原則として、支払った月の翌月10日です。
この納付が完了することで、源泉徴収の手続きが完結します。
STEP5 確定申告での調整
源泉徴収された税金は、後に行う確定申告で調整されます。
確定申告では、実際に支払うべき税金の総額が計算され、すでに源泉徴収で支払われた税金と比較されます。
もし、源泉徴収された金額が多かった場合には、還付金として返金されることがあります。
一方で、源泉徴収額が不足していた場合は、追加で支払う必要が出てきます。
このため、源泉徴収票を使って正確な申告を行うことが大切です。
動画制作で源泉徴収は必要?
ここまで、源泉徴収の手続きの流れを詳しく解説してきました。
しかし、動画制作に携わるあなたは、もしかしたらこんな疑問を抱いているかもしれません。
「源泉徴収はわかったけど、確定申告はどうなの? 動画制作でも必要なの?」
その答えは、「場合によります」
動画制作と一口に言っても、その形態は様々で、それぞれのケースによって、確定申告の必要性や手続きが変わってきます。
動画制作の中でも特に「Web動画を制作する場合」と「個人で動画を制作する場合」に分けて、確定申告が必要かどうかを、確定申告の必要性を判断するポイントも合わせてご紹介します。
自分の状況に合った正しい知識を持ち、確定申告の必要性をしっかり理解することで、安心して動画制作に取り組めるようになりましょう。
それでは、詳細を見ていきましょう。
Web動画を制作する場合
結論から言うと、企業から依頼を受けてWeb動画を制作する場合、源泉徴収が必要な場合がほとんどです。
その理由を解説していきます。
源泉徴収が規定されている所得税法第204条によると、以下の場合には源泉徴収が必要であると定められています。
「映画、演劇、音楽、音曲、舞踊、講談、落語、浪曲、漫談、漫才、腹話術、歌唱、奇術、曲芸や物まね又はラジオ放送やテレビジョン放送の出演や演出又は企画の報酬・料金」
(所得税法第204条第1項第5号)
ここには「ラジオ放送やテレビジョン放送」と明記されているため、Web動画制作は、これらの例示に直接当てはまらないかもしれません。
しかし国税庁の見解では、Web動画制作も源泉徴収の対象となる報酬とされています。
その理由は、所得税法が制定された当時は、Web動画のサービスが発展していなかったため、想定されていなかったためです。
ですから、法的根拠がなくてもWeb動画を制作する場合は原則として源泉徴収が必要ということになります。
個人で動画を制作する場合
源泉徴収は、所得税法第204条に基づき、企業などが個人に対して報酬などを支払う際に、その一部をあらかじめ所得税として徴収する制度です。
つまり、報酬の支払いがない場合は、源泉徴収も発生しません。
個人で動画を制作し、YouTubeなどのプラットフォームにアップロードするだけでは、直接的な報酬は発生しません。
したがって、この段階では源泉徴収は不要です。
ただし、YouTube動画に広告を掲載し、広告収入を得るようになった場合は注意が必要です。
広告収入は、雑所得または事業所得とみなされ、確定申告が必要になる場合があります。
雑所得とは、一時的または偶発的に得た所得のことです。 一方、事業所得とは、継続的かつ反復的に事業活動を行い、その対価として得た所得のことです。
YouTube動画からの広告収入が、雑所得とみなされるか、事業所得とみなされるかは、その活動の規模や頻度、収益の額などによって判断されます。
いずれにせよ、動画プラットフォームからの支払いは「業務委託報酬」などの形ではありません。
そのため、個人で動画を制作し収益を得る場合、源泉徴収は不要ですが、自分で所得税の申告を行う必要があります。
以下の記事では、「YouTubeマーケティング」について解説しているので、YouTubeで収益を得るための戦略が気になる方はぜひご一読ください。
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まとめ
いかがでしたか?
この記事では、動画制作における源泉徴収の必要性について解説してきました。
総括すると、フリーランスとして動画制作を行う際には、報酬の種類によっては源泉徴収が必要になるケースがあるため、クライアントとの契約時にしっかりと確認しておくことが必要です。
「源泉徴収」や「確定申告」という言葉に、難しさや面倒さを感じていた方もいるかもしれません。
しかし、これらの仕組みを正しく理解し、適切に対応することは、フリーランスとして安心して活動していく上で非常に重要です。
この記事が、あなたの疑問を解消し、今後の活動に役立つ情報となれば幸いです。
もし、さらに詳しい情報を知りたい場合や、個別のケースについて相談したい場合は、税務署や専門家にご相談ください。
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